「コロナ禍1年半でコロナ病床はなぜ増えないか」【メルマガVol.259】

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<今号のメルマガ本論抜粋>
■増えないベッド数! 病院側にも言い分はあるが......

 昨年20203月頃から新型コロナ感染症の拡大が問題になり始めたが、当初新型コロナ患者に対応できる病院は少なかった。当時は未知のウイルスであり、治療方法も感染防御方法も手探り状態であった。
 日本には一般病床が約88万床もあるが、これは人口当たりのベッド数として世界各国の中でも断トツに多い。
 しかしこのベッド数のうちコロナ患者に対応(即応)できるベッド数は34000床で、全体の約4%。未知のウイルスとの闘いという特殊事情はあるにせよ、コロナ対応できるベッド数の割合があまりにも少ないのではないかと問題になった。
 当然、「コロナ対応できるベッド数を増やすべきだ!!」という声が上がった。
 ところが、このベッド数がなかなか増えない。このベッド数の中には、コロナ重症者対応のベッド数も含まれており、このベッド数も増えない。
 もちろん病院側にも言い分はある。
 日本の病院は民間病院が全体の8割を占めている。そしてその多くが病床200床以下の中小病院だ。
 中小病院になると、その施設の大きさから、感染者(疑い者)と非感染者を分けるゾーニングができない。また医療スタッフにも限りがある。
 ゆえに簡単にコロナ患者を受け入れることができないというのだ。
 もし病院内で感染クラスターが発生してしまうと、病院業務を停止せざるを得ず、中小病院の経営に打撃となる。
 だから政治がいくら病院側に、コロナ対応のベッド数を増やすように要請してもなかなか増えないのだ。つまり病院側が拒否をしている。


■感染症対策の王道は病床数を増やすことだ
 この点を打開するために、アメとムチの、「アメ」作戦が行われた。
 コロナ対応ベッドを増やせば多額の補助金を出すという制度だ。
 しかしそれでも思うようにベッド数が増えない。
 こういうことで感染者数や重症者数が増えると、すぐにベッドがいっぱいになり、日本社会はてんやわんやの大慌てになる。この1年半ほどはその繰り返しだった。
 政府コロナ感染症対策分科会や医療界側は、国民の行動制限をすぐに求めるようになる。
 しかし、必要なときに必要なベッド数を増やすことこそが医療行政の王道だ。
 昨年のコロナ禍発生から、すでに約1年半が経過している。この間にベッド数を柔軟に増減できる仕組みを作るのが政治の責任だったはずなのにいまだにできていない。
 病院側がベッド数の増加を拒むのであれば、最後は法律を作って強制的に増減させる制度にするべきだ。

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<本論内容一覧>

■橋下徹の「問題解決の授業」特別編集版

 
▼日本でも「かかりつけ医」制度を強化していくべき
 ▼1日3万人も感染者が出ながら入院者が少ない英国の仕組み
 ▼「家庭医」制度が支えとなった英国の自宅療養

■橋下徹に聞きたい!「問題解決の授業」実践編
 
 ▼なぜ実現には「時間がかかる」のか? 医療制度改革が進まない理由

■橋下徹「町山智浩氏、西村ひろゆき氏の議論から抜け落ちている『今』という概念」
 ▼まずは病床を増減させる政治的権限がない
 ▼感染症対策の王道は国民の行動制限ではなく「ベッド数の確保」だ
 ▼東京都のコロナ対応病院は11%、対応病床は6%にすぎない
 ▼「1・2類相当」のまま新型コロナに対応する現実的な変更ポイント
 ▼映画評論家・町山智浩氏とツイッターで「あえて激しく」論争した理由
 ▼保健所の仕事を開業医に。組織マネジメントとしての仕事の役割分担が必要だ
 ▼10%しか入院できない現状で政府が「原則入院」というのは誤魔化しだ
 ▼軽症者に効果を発揮、「抗体カクテル」は病院ではなく開業医に!
 ▼なぜ今の段階での野戦病院方式やホテル療養方式の提案はズレているのか
 ▼自宅療養原則の方針は「かかりつけ医」制度を促すセンターピンだ


<その他コーナー(秘書・編集部執筆のコーナーです)>
活動日記
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今週のピックアップ
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■編集後記
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2021年6月29日、「実行力」「交渉力」に続く、橋下徹の「力」シリーズ第三弾、
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