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<今号のメルマガ本論抜粋>
■医療の質が高いから重症者向け病床が空かないという事情も
結論としては法律を作るしかありません。それこそが政治家、国会議員の仕事です。
医療は公共インフラです。もちろん弁護士もです。だからこそ、税金で人材を養成し、資格業、免許業として、独占的な仕事が保障されているのです。
さらに医療の世界には超多額な税金が投入されています。
2018年度の日本の医療費(国民医療費)は43.4兆円でしたが、そのうち11兆円が国の税金、5.6兆円が地方の税金から投入されています。
もう立派な公の存在です。
他方、日本は国民皆保険制度として、民間経営の医療を主軸としています。開業医はもちろん病院も民間のものが8割です。そして民間医療には経営の自由が原則与えられています。
この制度によって、日本全国に中小の病院や診療所が点在し、日本国民は自宅から徒歩圏内にあるあらゆる診療科の診療所や病院にアクセスでき、加えて保険証一枚で、低額で良質な医療を受けることができるという、世界に類を見ない医療の利便性を有します。
さらにさらに、高額医療費については、一定の上限額以上は免除されます(高額療養費制度)。数百万円の医療費がかかったとしてもひと月10万円にも満たない額で済むのです。
これはほんと凄いことなんですよ。
ただこのような日本の医療制度の下で、ひとたびパンデミックなどの危機が生じたときには、それを受け容れることができないということが、今回のコロナ禍によって白日の下にさらされました。
開業医の診療所や中小の病院では対応できなくなったのです。
さらに政治行政が、開業医や民間病院に対して指揮命令することができず、あくまでも「お願い」しかできないのです。
病院側も色々な事情を持ち出し、コロナ対応することを拒否する事態が多発しました。
もちろんコロナ対応に頑張ってくれている医療従事者の方もたくさんいますが、その方々に著しい負担がかかっており、それが医療崩壊と言われるゆえんです。
その医療崩壊を避けるために社会経済活動を抑止し、飲食店等特定の業種が営業停止に追い込まれています。
世界各国から見ると、日本の人口当たりの感染者数や重症者数は一桁も二桁も少ない。病床数も世界一です。
世界各国は日本よりも一桁も二桁も多い感染者数であっても、なんとか医療はもっているのに、日本は医療崩壊だと叫ばれる。
なぜか。
もちろん医療サービスの丁寧さ(=質)が違うという理由もあります。
ある国では、どんどん死者が出る。ということは重症ベッドが空くということです。
他方、日本は死者が少ない。つまり重症者の命をなんとかつなぎとめているので、病床がなかなか空かず逼迫の状況が続くというのです。
日本の医療サービスの質は高く、それは丁寧で、人手がかかるということです。一概に日本の医療が弱い、悪い、ということではないのでしょう。
それでもいざというときには、設備や人材を適正配置するマネジメントが必要になります。
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<本論内容一覧>
■今週の代表質問
▼なぜ行政は医療界を動かせないのか
■橋下徹の「答弁」
▼医療の質が高いから重症者向け病床が空かないという事情も
▼平時と有事を分け、有事には国が前面に出る医療マネジメント
▼なぜ政治家は医療界を動かす法律を作れないか?
▼おじいちゃん、おばあちゃんの票を集める仕組み
■橋下徹の「問題解決の授業」特別編集版
▼尾身会長の「7つの対策」
▼病床数を増やせば病床数使用率は下がる!
■橋下徹に聞きたい!「問題解決の授業」実践編
▼橋下徹「政治にはプロセスにおける公平・公正を求めるべき」
▼法律の不備により「お願い」「要請」しかできないコロナ対応
▼政治は矛盾、不公平を払拭するメッセージを
<その他コーナー(秘書・編集部執筆のコーナーです)>
■活動日記
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■編集後記
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