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■なぜ安倍政権で「未完」だった改革が菅政権で動き始めたか
菅義偉政権が誕生して1カ月が過ぎた。たった1カ月なのに、政府のデジタル化を推進するデジタル庁の創設準備、携帯電話料金の引き下げ検討、不妊治療への保険適用、行政手続きからのはんこ追放、再生可能エネルギーの主力電源化などなど、たくさんの政策が一気に前へ動きはじめた。その多くは規制改革を伴うため難度が高いと思われてきたものだ。
菅政権は安倍政権を継承するという。安倍政権は外交・安全保障の土台(ベース)を築いてくれたので、菅政権はそのベースにどっかりと乗っかればいい。この点は、このメルマガVol.217(【いよいよ発進!菅義偉政権(1)】早くも改革エンジン・フル稼働!僕が新内閣に期待すること)で十分に論じた。
そこで菅政権は、安倍政権において未完であった国内における改革に矢継ぎ早に着手している。これまで多くの議論がなされていたにもかかわらず、抵抗勢力の存在で一向に進まなかった改革が動く気配を国民は感じている。しかもスピード感をもって。そのことが菅政権の高い支持率を支えている。
なぜ、菅政権がこのようなスタートダッシュを切ることができたのか。
それは国家組織を十二分に動かしているからだ。
もちろん、結果が出るのはこれからだが、しかし改革というものは着手がうまく行かなければ結果もでない。
そこで今回は、菅政権の「国家組織の動かし方」について論じてみたいと思う。
■改革で最も重要なのは「課題を見つけること」
・携帯電話料金の値下げ
・最低賃金の引上げ
・行政のデジタル化
・運転免許証とマイナンバーカードの統合
・不妊治療の保険適用・外国人の土地取引規制
・教育のデジタル化・オンライン診療の恒久化
・はんこの廃止
・選択的夫婦別姓の検討
菅政権は次から次へと改革課題の検討・着手に入った。しかも、それらは国民の生活に密着し、わかりやすいものが多い。
安倍政権が取り組んだ外交・安全保障は、国にとって一番重要な政治課題であるにもかかわらず、国民は生活への影響を実感しないので、国民一般には非常にわかりにくかったことと対照的だ。
改革において最も重要なことは、まずは改革課題を見つけること。本来、この役割は国会議員が担うべきなのだが、常にアンテナを敏感に張り巡らせておかないと改革課題を見つけることはできない。
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<上記本論につづく内容一覧>
■僕が苦手だった政界の「仲間づくり」、許せなかった「裏切り」■菅さんと松井さんが「会食」の場で話していること■33年間続けてきた菅さんの「情報収集」習慣
■現場の課題はリーダーがすくい上げなければ解決できない
■理由なく続いてきた閣議決定の関連文書に「こより」を通す作業
■1分で解決した大阪府「手書き通知表」問題の教訓
■河野行革大臣の「こより廃止」決断がもたらす大きな効果
<その他コーナー(秘書執筆のコーナーです)>
■今週の質問タイム
〔質問〕
40代から60歳くらいまでの頭の固い人達(今までのやり方でやってきた人達)を「変わらなければいけない」というマインドにするにはどうしたらいいでしょうか。若手に変える力はないでしょうか。
〔橋下徹〕
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