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<今号のメルマガ本論抜粋>
■コロナワクチンの接種でも必要不可欠な「優先順位」
日本でもまず医療従事者を対象に新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。この後、4月から65歳以上の高齢者、基礎疾患を持つ人、などの順番でワクチン接種が進められる計画だ。
その一方、ワクチン供給量が絶対的に不足していることが報じられている。このように、限られた資源を最大限に有効活用する場面では、厳しく「優先順位」を付けることが必要不可欠となる。
この「優先順位」を付けることは、非常に難しい。後回しにされた者から、強烈な文句が出るからだ。
政治が各種関係者に交付している既存の補助金には、既に優先順位が付けられている。すなわち特定の団体に多額の補助金が出て、他の団体には出ていないという例がたくさんあるのである。なぜこのような優先順位付けが認められているのかと言えば、それは国民にわからないところで秘密裏に補助金の仕組みが作られているからだ。だから分配にあずかれない国民たちは、自分が後回しになっていることすら知らないので、文句を言うことはない。そしてそのような優先順位付けが長く続くことによって、先に優先された者の権利が既得権となる。
政治がこの既得権を崩して、補助金の仕組みを公平なものにしようとすると、既得権を持った人たちから強烈な反対運動を食らって頓挫する。
逆に、国民みんなに秘密にすることができない事柄について、一から優先順位を付けていくとなった場合は、先ほど述べたように、後回しにされた者からの強烈な反対が予想される。
このような場合には、公平に機械的に配分する方が楽だ。
つまり、国民に秘密にして優先順位を付けたものを公平に戻すのは大変。同じく国民の監視の下で優先順位を付けるのもこれまた大変。
しかし、このいずれにも挑戦しなければならないのが政治や組織のトップ・権限者の役割だ。日本におけるワクチン供給においては、まさに後者の優先順位を付ける挑戦を政治がやらなければならない。
■官僚は「不公平」批判に耐えられない
というのは、厚生労働省の行政官僚では優先順位を付けることができない。それは後回しにされた者からの批判に耐えることができないからだ。
このように優先順位を付けることが困難なときには「公平」というワードが使われる。一律の基準によって機械的に配分するということだ。
いまは医療従事者に先行接種してもらう段階なので、全国47都道府県ごとに医療従事者数を明らかにして、その割合でワクチンを配分していくのが誰からも文句が出ないやり方だろう。
しかし、そのような方法には大きな問題がある。これでは最大の効果を得られないことが多いのだ。
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<上記本論につづく内容一覧>
■海保長官に続いて政治家の口から「武器使用」の意志と能力を示すべきだ
■コロナワクチンの接種でも必要不可欠な「優先順位」
■官僚は不公平批判に耐えられない、だから政治がやるべき
■河野太郎ワクチン大臣に期待する「批判に負けない順位付け」
■リアルタイムのデータ化がもたらす「可能性」に理解を
■力を尽くして応援したい「デジタル化」への政府のチャレンジ
<その他コーナー(秘書執筆のコーナーです)>
■今週の質問タイム
〔質問〕
仕事が忙しく、パートナーとの時間を上手く作れなかったり、気持ちの切替えが出来ずぶつかってしまうことがあり、日々悩み、不甲斐なさを感じています。橋下さんは、弁護士、政治家と大変お忙しく、重圧を感じられてきたと思いますが、どのように仕事に全力を向けつつ奥様やご家族と良い関係を保たれているのでしょうか。是非参考にさせて頂けると幸いです。
〔橋下徹〕
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■編集後記
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