「森『後継人事』論争で決定的に欠けていること」【メルマガVol.236】

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<今号のメルマガ本論抜粋>
■なぜ「川渕会長・森相談役」の人事で収まらなかったか

 森喜朗氏の発言の騒動が収まらない。
 世論の批判に押され結局森さんは東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長職を辞任したが、その後に元日本サッカー協会会長・元Jリーグチェアマンの川渕三郎さんを後継指名してしまった。ここでまたもや大炎上。
 川渕さんはいったんやる気を示すも、白紙撤回。これから組織委員会の理事会において後継の会長選任手続きが始まるという。
 僕は前号のメルマガで、「森さんの辞任はやむなし。ただし森さんの力を借りる必要があることから、表看板の新会長と裏方の森さんの2枚看板方式で7月に開催されるオリンピックを乗り切ったらいいんじゃないか」と論じた。
 そういう意味では、川渕さんと森さんの2枚看板はいい方向だと思った。
 ところが川渕さんへの後継指名が猛烈に批判を浴びた。
 密室で決めた!! 正式な選任手続きを踏め!! と。
 川渕さんが、正式な選任手続きを踏む前に、あたかも自分が会長に就任したような振る舞いはまずかった。しかも引責辞任する森さんを相談役に迎えることを発表したことにも批判が集まった。さらに川渕さんが男性で、84歳という年齢であることからも、もっと若く、女性の方がいいんじゃないかという意見も噴出した。
 そして川渕さんは辞退するという顛末になり、現在、組織委員会の理事会において選任手続きが進んでいる。
 川渕さん、しゃべりすぎ!!
 本来の人事はある程度のコンセンサスを得た上で、正式な手続きを踏むのが常道だ。ところが川渕さんは、森さんと周辺の有力者との水面下のコンセンサスを、そのまま確定的な決定だと思い込んでしまったのだろう。ここは川渕さんたちの感覚が古かったとしか言いようがない。まあこういうワンマン的な要素のある川渕さんだからこそ、アマチュアサッカー界をJリーグというプロ化に転換する大偉業を成し遂げることができたのだろうが。
 うまく手続きを進めれば、川渕さんの新会長、森さんの相談役という2枚看板で収まったのに残念だ。


■本番直前! 組織委員会の会長人事に何を求めるべきか?
 さて、世間は現在、組織委員会の会長人事に多様性や透明性、世代交代などを強烈に求めているが、僕はそのことに違和感を覚える。というのも、世間が組織委員会に求めるものが、その組織の使命や存在意義とズレているように思えるからだ。
 世間が求めている会長像とは、改革の旗手、多様性の象徴、日本が女性の活躍を大切にしていることの世界への発信、選任プロセスの透明性......というところだろうか。
 どれもこれも、これからの時代に求められる価値観、諸要素であることに間違いはない。
 しかし、だ。
 そもそも組織委員会とはオリンピック(およびパラリンピック、以下同)が終了すれば解散する一時的な組織である。そしてその性格は、あくまでもオリンピックを実行するための実務組織であって、社会を変えるための組織ではない。そんな組織委員会をいまさら一から大改革する必要もないだろう。不適切な発言と逆切れ会見をしてしまった森さんを会長職から辞任させれば、あとはとにかくオリンピックを滞りなく実行してくれる会長に就いてもらえればいい。
 これからの時代に求められる価値観などは、オリンピック開催都市のリーダーである小池百合子東京都知事が体現すればいいじゃないか。

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<上記本論につづく内容一覧>

■オリンピック開催都市の小池都知事がイメージリーダーになるべき


■現代中国が用いる春秋戦国以来の戦略を日本も学べ


■武力行使に関する政府の答弁を引き出す「野党の役割」

■僕がアメリカで取材した「尖閣防衛」へのアメリカ人の本音

■いかに「国家の意志」を引き出すか

■「権力行使を妨げることが立憲主義だ」という戦後日本の大きな誤解


<その他コーナー(秘書執筆のコーナーです)>
■今週の質問タイム
〔質問〕
 山積する諸課題への的確なご指摘、いつも参考にしています。橋下さんのコメントの特徴の一つに、ポジショントークが少ないということがあると思います。安倍前首相、菅首相をはじめ個人的に親しくされている方にも時に厳しく批判することがあります。
 ポジショントークなしで、親しい人にも厳しく指摘するのは実社会でも大事だと思います。そのために心がけていることを教えて下さい。

〔橋下徹〕
(回答はメルマガにて)


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