「なぜメッセージに頼る感染対策は『催眠術』なのか」【メルマガVol.242】

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<今号のメルマガ本論抜粋>
■「まん延防止」と呼ぶだけで感染拡大は抑えられるか
 年初からの緊急事態宣言が全都道府県で解除されたが、大阪府をはじめ各地で新型コロナ感染症感染拡大の「第4波」とみられる動きが確認できたため、政府は大阪府などに新型コロナ特措法に基づく「まん延防止等重点措置」の適用を決めた。これにより、大阪市内の飲食店への時短要請を現状の「夜9時まで」から「夜8時まで」に変更、また大阪府民に対し「4人以下でのマスク会食の徹底」などを求めることになった。
 この流れの中で、まん延防止等重点措置という名称が長いので「マンボウ」という呼び方が広まったが、それでは「ふざけている感じがする」「軽い感じがする」という理由から、「マンボウ」の呼び方を止めて「まん延防止」という呼び方にしようという動きが、政治行政やメディアの中で出てきた。
 しかし、この考え方こそが危ない。
 というのは、このように呼び方・メッセージにこだわる考え方は、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」という「メッセージ」によって感染拡大を抑えようという考え方につながってしまうからだ。
 この象徴例は小池百合子東京都知事だ。小池さんは、次から次へとカタカナ交じりの「フレーズ」を生み出してきた。
 もちろん「フレーズ」によって国民の間に危機感を醸成し、国民の行動変容を促すというのはひとつの手段であり、昨年来からある程度の効果があったところは事実である。
 しかし年明けの第3波に対する緊急事態宣言の宣言効果は徐々に薄れていったことも間違いない。322日の緊急事態宣言解除のあたりには、もはや街中の人出は普通に戻り、宣言の効果は見当たらなくなっていた。


緊急事態宣言は「催眠術」
 ゆえに僕は、「緊急事態宣言は催眠術のようなもの。宣言を出すことで、政治行政は何か対策をやった気になってしまうし、国民の方も宣言自体で効果が出るものだと錯覚してしまう。ゆえにいったん効果のなくなった緊急事態宣言という催眠術を解いて、本来やらなければならない対策をしっかりと講じるべき」という持論を展開して、緊急事態宣言解除を主張した。
 その趣旨は、宣言を解除することによって社会経済活動を一気に完全に戻すのではなく、解除後にしっかりとした対策を講じるべきというものだ。それは、まん延防止等重点措置にそのままつなぐべきというものだった。
 ところが、政府をはじめとする政治行政は、宣言解除後、まん延防止等重点措置につなぐことはしなかった。
 
「緊急事態」「まん延防止等重点措置」「とことんステイホーム」などを宣言することで国民の行動が完全に変わるのであれば、感染拡大を抑えることができるのであろうが、そのようなフレーズの効果はどこかで必ず途切れる。
 他方、緊急事態宣言によって政治が国民に対して具体的に義務化したのは、飲食店の営業の制限のみだ。
 そして、この制限は営業時間の短縮という、いわゆる時短要請が軸となったが、飲食店の時短は、本質的な感染対策ではない。
 だって、感染対策を講じていないお店であれば、時短営業内において感染は拡大していくのだから。


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<上記本論内容一覧>

■「緊急事態」「とことんステイホーム」......フレーズだけでは効果は持続しない


■飛沫感染する新型コロナの感染拡大防止に有効な策とは?


■飛沫感染防止策が進んでいる歯科医院にヒントあり


■飲食店の営業「継続」をこれからの目標に!


■法律で義務化すれば店側も客に要求しやすい


■ウイグル問題、台湾有事......僕が菅総理に生番組で質問したこと


■政治を少しでも「いい方向」へ導けるよう頑張りたい


<その他コーナー(秘書・編集部執筆のコーナーです)>
■今週の質問タイム
〔質問〕
 橋下さんは「お金の使い方」について意識されていることはありますか。また、お子さんにはどのようような金銭教育をされていますか。

〔橋下徹〕
(回答はメルマガにて)

活動日記
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最近のTV衣装より
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今週のピックアップ
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■編集後記
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